牛飼いのこころ
パスチャライズ牛乳には、細菌数の少ない生乳が必要です。
私たちは原乳の品質を高めるために、
飼料はもとより飼育方法や飼育規模、
さらには酪農をとりまく環境にも配慮しています。
質のいい原乳は、豊かな自然のなかで生まれます。
酪農の理想は、放牧によって牛が自由に採食できること。きれいな空気と水のあるところで、太陽を浴び、のびのび育った牛から質の高い生乳が生まれます。奥出雲は清流斐伊川に潤わされ、土に恵まれた地。木次乳業の原乳は、この斐伊川流域に点在する酪農家から集められています。
私たちが推奨するのは家族的酪農です。
乳質の向上には、乳牛の健康管理が不可欠。私たちは大型酪農ではなく、飼育者の目が行き届く規模での酪農を推奨しています。牛はデリケートで、健康でほんとうにおいしい牛乳は、家族のように気を配って育てられた牛から生まれるからです。そのためには、飼育者が心身ともに健康でなくてはなりません。私たちは、酪農家がリフレッシュする時間がとれるよう、ヘルパー制度をつくっています。
配合飼料には非遺伝子組換えを採用しています。
非遺伝子組換えの配合飼料の導入にあたっては、牛の体調を崩す心配があるため、酪農家にとっては大きな冒険でした。あえて承知のうえで取り組んだのは、真に確かな乳質への挑戦でした。現在、木次乳業では全酪農家が非遺伝子組換えを採用できるよう、勉強会を開催しています。
生乳の質は厳密に管理しています。
飼料や牧草、季節、天候によって乳質は微妙に変化します。集乳に際してはサンプリングを行い、細菌数や体細胞数を検査して乳質の変化をキャッチ。常に安定した品質を保っています。また乳房の清浄や前搾りなど、搾乳指導を徹底。
日本にふさわしい酪農の姿を模索しています。
日登牧場では山地酪農を行い、これからの日本の酪農を核にした農業のあり方を模索しています。山がちな日本で、放牧のために山を切り開けば、環境破壊につながります。日本の地勢にふさわしい酪農を実現するため、ここでは山岳牛ブラウンスイス種を導入しています。ホルスタインより乳量は少ないが乳質に優れ、足腰が強くて山地放牧に適しているからです。